Claude Code のスキル(Skills)とは、決まった手順や書き方を SKILL.md という 1 枚に書いて置き、AI に必要なときだけ読ませる仕組みです。ふだん会話に載るのは各スキルの短い説明(description)だけで、頼まれた内容に合うと Claude が自分で本文を読み込みます。AIエージェントとはの全体像は柱の記事にまとめています。
一文で言うと: 指示を何度も貼らずに済む「レシピの紙」
「週報はこの見出しで」「請求書はこの順で確かめる」といった決まりを 1 枚に書いておくと、頼んだ内容が合うときに Claude がその 1 枚を読み込み、決まりどおりに動きます。自分で呼びたいときは、チャットの頭に /スキルの名前 と打てば呼べます。
公式の説明では、本文はスキルが呼ばれたときに初めて読み込まれます(出典 1)。スキルを何本置いても、使わない物の本文で会話が埋まらない作りです。私たちの講座では、AI 社員を作る 4 つの部品のうち「レシピ」に当たる物として教えています(AI 社員の作り方)。
CLAUDE.md・サブエージェントとの違い
| 似た仕組み | 何を書くか | スキルとの違い |
|---|---|---|
| CLAUDE.md | そのプロジェクトについての事実(いつも効いてほしい物) | 毎回読み込まれる。長い手順はスキルへ移すのが公式のすすめ(出典 1) |
| スキル(SKILL.md) | 手順・チェックリスト・書き方の型 | 説明が合うときだけ本文が読まれる。/名前 で手でも呼べる |
| カスタムコマンド(.claude/commands/) | 呼び出し用の指示 | 公式の説明ではスキルに統合済み。同じ名前なら同じように /名前 で動く(出典 1) |
| サブエージェント | 別の会話で動く担当 | 会話を分けて動く。スキルは今の会話の中で動く(出典 1・サブエージェントとは) |
作り方の 5 手
今回作ったのは、週報を決まった形で書かせる 1 本です。使ったのは Claude Code 2.1.289(Mac)、作ったファイルは SKILL.md の 1 枚(見出し部分 4 行+本文 5 行)でした(社の実測 2026-10-04)。
- 置き場所を決める。自分のどのプロジェクトでも使うなら
~/.claude/skills/<名前>/、そのプロジェクトだけなら.claude/skills/<名前>/にフォルダを作ります(出典 1)。今回は.claude/skills/weekly-report/SKILL.mdに置きました。 - SKILL.md を書く。先頭の
---で挟んだ部分に名前(name)と説明(description)を書き、その下に手順を書きます。 - 説明(description)に「いつ使うか」を書く。Claude はこの 1 行を読んで使うかどうかを決めます。説明を書かないと本文の最初の行が代わりに使われます(出典 1)。
- ふつうに頼む。スキルの名前を出さずに「これで週報を書いて」と頼みます。合えば Claude が自分でスキルを読み込みます。
- 手で呼ぶ。確実に使わせたいときは
/weekly-report 今週は見積もりを 3 件出したのように頭に名前を付けます。
今回書いた 1 枚がこれです。プログラムは無く、日本語の文章だけです。
---
name: weekly-report
description: 週報(1 週間の仕事のまとめ)を書くときに使う。決まった 3 つの見出しで書く。
---
週報を書くときは、必ず次の形で書く。
1 行目: 【週報】と今日の日付(YYYY-MM-DD)
見出し 3 つをこの順で: 「やったこと」「詰まったこと」「来週やること」
各見出しの下は箇条書き 3 つまで。
効いたかの確かめ方(3 回ずつ比べた記録)
効いているかは、スキルを置いたフォルダと置いていないフォルダで同じ頼みを出して比べるのが一番確かです。「今週やったこと: 見積もりを 3 件出した。請求書の送り先を 1 件まちがえた。来週は新しいお客さんと打ち合わせ。これで週報を書いて。」を、それぞれ 3 回ずつ出しました(社の実測 2026-10-04)。
| 条件 | 決めた形(【週報】+3 つの見出し)で返った回数 | 返るまでの秒数 |
|---|---|---|
| スキルあり(名前は出さずに頼む) | 3 回中 3 回 | 8 秒・5 秒・4 秒 |
| スキルなし | 3 回中 0 回(見出しの名前が毎回 AI 任せ) | 10 秒・8 秒・6 秒 |
/weekly-report で手で呼ぶ | 1 回中 1 回 | 7 秒 |
スキルなしでも週報らしい物は返ってきますが、見出しの名前や並びは毎回 AI が決めます。スキルありでは、名前を出さずに頼んでも 3 回とも書いた形のとおりでした。手で呼んだ回では、頼みに無かった「詰まったこと」を AI が仮の内容で埋めてきました。足りない材料は頼む側が渡すのが確実です。
詰まる所と直し方
| 詰まる所 | 直し方 |
|---|---|
| 勝手に使われない | 説明(description)に「何をするときに使うか」を具体的に書く。Claude はこの文で判断する(出典 1) |
| 勝手に使われると困る(送信・公開など) | 見出し部分に disable-model-invocation: true を書くと、/名前 で呼んだときだけ動く(出典 1) |
画面を使わずに claude -p "/名前 …" で呼ぶと待たされる | 今回、入力待ちの注意が出てから動いた。末尾に < /dev/null を付けると待たずに動いた(社の実測 2026-10-04) |
| スキルの中身を書き換えたのに効かない | 一度読み込まれたスキルは、その会話の中では読み直されない(出典 1)。新しい会話で試す |
スキルの次の一歩: 道具と手順をまとめる
スキルは「1 つの手順」を覚えさせる仕組みです。ファイル・ブラウザ・外のサービスといった道具を使わせたいときは MCP サーバーと組み合わせます(MCPサーバーの一覧)。手順が増えてきたら、仕事ごとに子のエージェントへ割ると安定します(サブエージェントとは)。手順と道具をひとまとめにして、そのまま使える形にした物が AI エージェントで、エージェントの棚とマーケットに並んでいます。
よくある質問
スキルは何本まで置けますか?
公式の説明では、ふだん会話に載るのは各スキルの説明だけで、本文は使うときに読み込まれます(出典 1)。本数よりも、説明が互いに似すぎないように書く方が大切です。
CLAUDE.md とどちらに書けばよいですか?
いつも効いてほしい事実は CLAUDE.md、手順や型はスキルです。CLAUDE.md の一部が手順に育ってきたら、スキルへ移すのが公式のすすめです(出典 1)。
プログラムが書けなくても作れますか?
作れます。今回の 1 枚もプログラムは無く、日本語の文章だけです(社の実測 2026-10-04)。黒い画面に慣れていない方は非エンジニアが Claude Code を使う道も読んでみてください。
出典
- Anthropic「Extend Claude with skills」Claude Code Docs https://code.claude.com/docs/en/skills(2026-10-04 に確認)
- 社の実測 2026-10-04: ブルーランプ編集部が Claude Code 2.1.289(Mac)で、スキルあり・なしのフォルダに同じ頼みを 3 回ずつ出し、返った文と秒数を記録した